企画のいきさつ
互いの近況のやりとりからでした
未知のものであるコロナウィルスに対して
どういった対策で向き合えば良いか
ある程度わかり始めてきた頃…
長年の友人であり
東京在住の視覚障がいのある彼と
近況を話していたときでした
「我々視覚障がい者は
手が目の代わりで
手で触ることが必須なのに
いろんなものに触れるのが怖くて
出かけるのがいつも以上に大変
自宅にこもりがちで
鬱々とした気持ちが増してきている」
とのこと
さっそく、薄手の手ぶくろを贈って試してもらったものの
いくら薄くても手や指の感覚が鈍くなり
点字が読めないことはもちろん
ちょっとしたモノの形状も捉えにくい
手ぶくろは一方向に伸びるように生地を設計している
そのことは繊維資材商社を営む自分としては
専門分野なのでわかっているが
伸びない素材やこれ以上薄くすると強度の面で問題が出てくる
解決策が見いだせないまま半年が経ち
野山が彩づいてきたころ
「みんなの◯」プロジェクトにも
関心や気持ちを寄せてくれている友人が
コロナ禍における視覚障がいの方のお困りごとの
新聞記事を共有してくれた
彼女は聴覚障がいを持っており
コロナ禍において皆がマスクを着用するようになり
口元で判読できるのが難しくなり
色々な苦労をしている中
別の障がいを持つ方へ心を寄せる姿勢に心を打たれ
再度力を注ぐことになりました
そうした中で出会った
この素材
この編立
この縫製
メーカー様はじめこの企画の趣旨にご理解をいただき
多大なるご協力を得て
必要な人のもとに
お届けすることができるようになりました